2007年04月22日
エリザベス女王の孤独と凛とした強さ…ヘレン・ミレンは女王の乗り移り

圧巻でしたねェ。
息を飲みましたねぇ。
なんか、いつかの淀川長治さんみたいな口調になってます。
「クイーン」は女優ヘレン・ミレン扮するエリザベス女王の孤独と苦悩が描かれていて、彼女ヘレン・ミレンはこの演技で、今年のアカデミー最優秀主演女優賞に輝きました。
あのダイアナさんが事故で亡くなった…。
パパラッチに追いかけられ、恋人と一緒に乗った車がトンネルの壁に激突。
そのことに対する女王の態度があまりに冷たい、とイギリス国民がそっぽを向いた。
ダイアナさんの遺体に会いにいくことはおろか、声明も出さない女王に対して。
王族から離れたダイアナのために声明文を出さない、とする女王をブレア首相が説得します。
「このまま放置すると国民から尊敬されなくなります」。
女王は何があっても動じないし、感情を外には見せるな、と育てられてきたのです。
自分の意思とは関係なく、そうあるべきだと。
それは、自分がそうしたい、と思わずして女王として生まれてきたと同じように。
自分の過去(女王として)が否定され、新しい自分を求められていると知ったとき、自分を失わずに姿勢を変えることがどんなに大変なことか。

立ち姿、ちょっと外向きな歩き方、大きな眼鏡や独特のヘアスタイル。
もう、女王が乗り移ってきたようなヘレン・ミレンです。
髪をピン止めでベッドに入るところや、がんこ親父のような夫(フィリップ殿下)とのやりとり、食事の場面などで、ロイヤルファミリーと呼ばれる人たちの、一瞬の日常が見えてそれはそれで興味深い。
お城の入り口に山のようにつまれてダイアナの死を悼む花束の山。
集まった多くの人たちの中から少女が小さな花束を女王に差出ます。
「私に?」
このときだけ、女王の口元が緩み目がかすかに笑います。
女王である前に彼女も人間のはずですが、凛として動かない軸足。
私ごときが言うのもおこがましいのですが、見事というほかありません。
今まで何の関心もなかったエリザベス女王ですが、この映画を観た人たちはきっと好きになるでしょう。
もちろん、私も…。





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